備忘録を兼ねて、確率分布の文脈の中で使われるsuppについて解説したいと思います。suppは、関数解析の文脈で用いられることが多いですが、本(A course in stochastic game theory)の中で確率分布について用いられており、非常に重要な役割を果たしていたのですが日本語による解説があまり多く見当たらないような気がするので、ここで紹介します。内容は、ほぼこの本のp3の解説になっています。
任意の有限の集合Kに対して、K上での確率分布を で表すとします。見た目はいっかちいですが、 K = {1, 2, 3, 4}という有限集合とすれば、の例として、 だったりとか、 みたいなものを考えましょうねーと言っているにすぎません。
ここで、を考えて、こののsupport(supp)について解説します。
は、の下で正(0より大きい)の確率を持つすべての要素の集合のことを指します。 つまり { } となります。 例えば例その1では{1, 2, 3, 4}、例その2では{2, 3}のようになります。
また、確率分布μのsuppの要素が1である、つまりの時、この確率分布は純(pure)であると言います。 これはつまり、 とかそういう確率分布のことを指します。
分かってしまえば何も難しいことはないのに、わかるまで結構しんどかった...
誰かのお役に立てれば幸いです。